研究紹介/ 医用画像処理
はじめに
科学技術の発展に伴って,医療現場では,X線,CT,MRIなどで撮像された画像による診断が一般的になっています.これらの医用画像をコンピュータで解析することで,医師による診断を支援する研究が進んでいます.ここでは,本研究室が取り組んでいる脳MRI画像解析と超音波画像解析の研究について説明します.
脳MRI画像
脳MRI画像は,脳の状態を診断するために使われています.T1強調画像と呼ばれる脳の形態を診断する際に使われる画像に着目します.図1のようにT1強調画像は,3つの脳組織を確認することができます.
脳形態の加齢による萎縮
脳形態は,加齢によって萎縮していることが知られています.図2は,加齢によって各脳組織の体積が変化していることを示すグラフと実際のT1強調画像です.
年齢推定
本研究室では,脳の形態変化と年齢に強い関係性があることを利用して,T1強調画像から実年齢を推定する手法を提案しています.3D CNNを用いた最新の手法では,推定誤差が約3歳まで低下しました.
アルツハイマー病の診断支援
脳の疾患の1つであるアルツハイマー病 (Alzheimer's Disease: AD) の早期発見を目指した研究に取り組んでいます.詳細については,文献 [3] を参照して下さい.
超音波画像
超音波画像診断は,装置が小型であるだけでなく,非侵襲であるため,患者に負担をかけない利点があります.本研究室では,超音波画像から3次元のボリュームデータを再構成する手法を検討しています.
超音波プローブ・カメラシステム
図4のように,超音波プローブにカメラを取り付けた超音波プローブ・カメラシステムを開発しました.手法の詳細については,文献 [4] を参照して下さい.
3次元超音波画像の再構成
ディープラーニングを用いて超音波画像のみから3次元超音波画像の再構成する研究が進められています.現在までの取り組みは,文献 [5] を参照して下さい.
眼底3次元画像解析
緑内障などの眼疾患は,網膜の構造を変化させるものが多いです.深層学習を用いて網膜層の厚みを測定する手法を検討しています.現在までの取り組みは,文献 [6] や文献 [7] を参照して下さい.
まとめ
簡単ではありますが,本研究室で取り組んでいる医用画像処理の研究について紹介しました.医用画像処理は,医学と工学の両方の知識が必要となる融合領域です.
参考文献
- C. Kondo et al., "Age estimation method using brain local features for T1-weighted images," Proc. Annual Int'l Conf. IEEE Engineering in Medicine and Biology Society, pp. 666-669, August 2015.
- M. Ueda et al., "An age estimation method using 3D-CNN from brain MRI images," Proc. Int'l Symp. Biomedical Imaging, pp. 380-383, April 2019.
- 遠藤ほか, "畳み込みニューラルネットワークと認知機能テストを用いたアルツハイマー病鑑別," 第24回 画像の認識・理解シンポジウム, July 2021.
- K. Ito et al., "A probe-camera system for 3D ultrasound image reconstruction," Proc. Int'l Workshop on Point-of-Care Ultrasound, pp. 129-137, September 2017.
- K. Miura et al., "Localizing 2D ultrasound probe from ultrasound image sequences using deep learning for volume reconstruction," Proc. Advances in Simplifying Medical UltraSound (MICCAI 2020 Workshops), pp. 97-105, October 2020.
- T. Konno et al., "Retinal layer segmentation from OCT images using 2D-3D hybrid network with multi-scale loss and refinement module," Proc. Int'l Symp. Biomedical Imaging, April 2023.
- T. Konno et al., "Retinal layer segmentation using 1D+2D U-Net from OCT images," Proc. Int'l Symp. Biomedical Imaging, May 2024.