手の位置姿勢にロバストな掌紋関心領域抽出に関する検討
荒木 健司 (東北大学), 田中 克樹 (東北大学), 伊藤 康一 (東北大学), 青木 孝文 (東北大学)
映像情報メディア学会メディア工学研究会サマーセミナー, pp. 19--22, August 2026.
Abstract
非接触掌紋認証では,カメラで取得した手全体画像から掌中央部の関心領域 (Region of Interest: ROI) を抽出し,その領域の特徴量に基づいて個人照合を行う.ROI 抽出は,認証精度を左右する重要な前処理であり,抽出時の位置ずれにより認証性能の著しい低下を引き起こす.従来の ROI 抽出手法は,二値化による輪郭抽出や手首からの距離に基づく谷点検出に依存しているため,背景ノイズや手の姿勢変化の影響を受け,谷点を安定して検出できない課題があった.そこで本稿では,Segment Anything Model 3(SAM 3)による高精細な手領域抽出,MediaPipe Hand Landmarker(MP)を用いた位置姿勢に不変な手首点設定,およびキーポイントとエッジ情報を統合した谷点位置推定を組み合わせることで,手の位置姿勢にロバストな ROI 抽出手法を提案する.公開データセットを用いた評価実験により,提案手法が多様な撮影条件下で正確な ROI 抽出を実現し,従来手法と比較して掌紋認証精度が向上することを示す.