2020年オープンキャンパス(青木・伊藤(康)研究室)

バイオインフォマティクス

目次

本研究室では,主に画像処理の研究をしていますが,画像処理以外の研究も行っています.その1つがバイオインフォマティクスの研究です.バイオインフォマティクスとは,生命科学と情報科学の融合分野です.ゲノム解析などが有名です.その中に,アプタマーと呼ばれる人工核酸を設計する研究があります.アプタマーは,特定のタンパク質に結合する塩基配列であり,その特性を利用してバイオ医薬品や分子センシングなどに応用されます.ここでは,膨大な核酸配列の中からアプタマーを探し出す研究について説明します.

アプタマーとは,人工的に作成された核酸塩基配列であり,特定のタンパク質に結合するように設計されます.例えば,アレルギー物質に反応するアプタマーがあれば,食べる前にアレルギー物質が含まれているかを確認することができます(蛍光タンパクを利用して箸先を光らせることが考えられています).その他にもストレスチェックやウイルスの計測などへの応用が検討されています.すごく便利そうなアプタマーですが,見つけ出すには,なかなかの労力が必要となります.

簡単ではありますが,本研究室で取り組んでいるバイオインフォマティクスの研究について紹介しました.まだはじめたばかりの新しいテーマではありますが,NECソリューションイノベータ株式会社バイオラボと共同で,アプタマー候補を高速に見つけ出すクラスタリング手法やアプタマー配列の小型化手法など,アプタマーの実用化を推進するための手法に関する研究を進めています.