研究活動の紹介

画像処理グループ

本グループでは,画像や映像などの多次元信号を対象にするディジタル信号処理ならびにコンピュータビジョンの研究を行っています. ピクセル分解能の壁を超える新しい画像マッチング技術である「位相限定相関法」を開発するとともに,その応用として,バイオメトリクス認証技術(指紋照合,虹彩照合,3次元顔照合など),3次元ヒューマンインタフェース技術,超高速画像認識システム,自動車向けビジョンシステム,ナノスケール画像センシング技術などの研究を行っています. さらに,オブジェクトベース映像処理,複合現実感(MR)の概念に基づく情報コミュニケーションとディスプレイシステムなどの研究をさまざまな企業や研究機関と連携して進めています.


高精度受動型3次元計測技術の開発

本プロジェクトでは,コンパクトなステレオカメラと位相限定相関法によるサブピクセル対応点探索を組み合わせた受動型3次元計測技術とその応用を行っています. 本プロジェクトで開発された受動型3次元計測システムは1m程度の距離にある物体の3次元形状を誤差1mm以下で取得することが可能であり,現在,次のような応用へ適用されています.
・自動車向け画像センシング
・ヒューマンインターフェース
・人体の3次元キャプチャ
・文化財のディジタルアーカイブ

高品質な画像・映像の生成・処理・提示技術の開発

位相限定相関法に基づくサブピクセル画像対応点探索手法を用いて,きわめて精密な動き推定や類似画像検索が可能です. 本プロジェクトでは,SIFTなど,他の手法との組み合わせによるロバストな画像対応付けを実現する手法 を開発し,以下に示す3つの応用に適用することを検討しています.
・超解像による映像のフォーマット変換
・環境適応型映像プロジェクタ
・Web画像検索による仮想画像合成

高精度・高速マシンビジョン技術の開発

大域的画像変換(並進,剛体,相似,アフィン,射影,非線形変換など)の高精度推定技術は,顕微鏡や工場自動化における画像認識に必須です. 本プロジェクトでは,ASICやFPGAの開発による大幅な処理高速化も含め,次の2つの応用を検討しています.
・電子顕微鏡のための画像解析
・工業市場向け超高速画像認識システム

バイオメトリクスデータのロバスト照合による高信頼個人認証技術技術の開発

本プロジェクトでは,帯域制限位相限定相関法や位相ベースPCAを利用したバイオメトリクス認証技術(指紋照合,掌紋照合,虹彩照合,歯科X線画像照合)ならびに受動型3次元計測に基づく認証技術(2次元・3次元顔照合)について,世界最高水準の性能を目指しています.
・指紋照合
・掌紋照合
・虹彩照合
・2次元および3次元顔照合
・歯科X線画像照合



VLSI 設計技術グループ

本グループでは,コンピュータとネットワークが生活のすみずみに浸透するユビキタス情報環境を想定した次世代コンピューティング技術全般について研究を行っています. 具体的な研究テーマとしては,超高性能計算機構のアルゴリズム,並列処理システム,ハードウェアとソフトウェアの融合設計技術,次世代システムLSIとEDA(Electronic Design Automation),暗号処理システムに対する実際的脅威とその防御に関する研究などがあげられます. また,将来に向けて,多値論理に基づく新原理システムLSI,単一電子集積システム,分子コンピューティングなどの新しいパラダイムについても検討しています.


超高性能コンピューティング技術の開拓

本研究プロジェクトでは,次世代のLSIシステム構築のため,従来の2値論理回路・2進数計算方式の限界を越える新しい計算機構について研究しています. これは,計算アルゴリズムのレベルにおいて,非2進数系やデータの多値符号化に基づく新しい計算原理を開拓するとともに,デバイス・回路レベルにおいて,多状態信号を用いた超高並列な情報処理をめざすアプローチです.
・非2進数系による高性能演算方式の理論
・多値論理・集合論理による並列処理アーキテクチャ

ハードウェアアルゴリズムの高水準設計技術の開発

近年,マルチメディア信号処理やセキュリティ情報処理に要求される演算能力は増加の一途をたどっており,多種多様なデータパス(算術演算回路)の設計が必要とされています. 本研究プロジェクトでは,算術演算回路の性能がそのハードウェアアルゴリズム(算術アルゴリズム)を大きく左右されることに着目し,その高水準な記述・検証・合成技術を開発しています.
・算術アルゴリズム記述言語とその言語処理系
・高性能データパスの自動生成
・計算機代数に基づく算術アルゴリズムの高速検証

暗号処理システムの高性能実装・高精度解析技術の開発

本プロジェクトでは,暗号モジュール(暗号処理をおこなうLSI)の実際上の脅威とその防御に関する研究をおこなっています.特に,モジュール動作時のサイドチャネル情報(消費電力,漏えい電磁波,計算時間など)を利用して秘密情報を奪うサイドチャネル攻撃とその対策技術を研究・開発しています. また,サイドチャネル攻撃標準評価ボードの開発を通して,暗号モジュールに対する安全性評価技術の確立を目指しています.
・暗号ハードウェアの高性能実装
・サイドチャネル攻撃とその対策
・安全性評価プラットフォーム