Python 自体のインストールは,Windows でも簡単にできますが, いろいろなパッケージもインストールしようとすると一苦労します. 役に立つかはわかりませんが,Windows での Python の開発環境を 構築したときのインストールメモになります.なお,使おうと思っている パッケージを考慮して,32bit 版の Python 2.7 をインストールした 場合になりますので,注意してください.
パッケージを 1 つ 1 つインストールするのが面倒な方は,
インストールするだけですぐに使える pythonxy(あるいは Python(x,y))
というディストリビューションがあります.
インストールすれば,ほぼ MATLAB のような環境が手に入ります.
pythonxy
Python for Windows
Python 本体のインストール手順です.
- Python.org にアクセスする.
- "Downloads" - "Windows" と進む.
- Latest Python 2 Release - Python 2.7.6 を選択する.
- Download から Windows x86 MSI Installer (2.7.6) (sig) を選択し,python-2.7.6.msi をダウンロードする.
- ダウンロードした python-2.7.6.msi を使って Python をインストールする.
- インストールが終わったら環境変数にパスを追加する.
参考:Windows 環境変数 Path の設定方法PATH = $PATH;C:\Python27;C:\Python27\Scripts;
> phythonと入力して,Python を起動する.
Python 2.7.6 (default, Nov 10 2013, 19:24:18) [MSC v.1500 32 bit (Intel)] on win 32 Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information. >>>が表示されることを確認する. Python の使い方などについては,参考 web ページのチュートリアルを参照されたい.
参考 web ページ
setuptools (easy_install)
Python のパッケージをコマンドプロンプトからインストールできる便利なツールをインストールする.
- ez_setup.py をダウンロードする(リンクを右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」でダウンロードする).
- コマンドプロンプトを起動し,ez_setup.py をダウンロードしたフォルダで次のコマンドを実行する.
> python ez_setup.py
参考 web ページ
pip
easy_install と同様な Python のパッケージをコマンドプロンプトからインストールできる便利なツールをインストールする.
- すでに easy_install がインストールされているので,コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行して pip をインストールする.
> easy_install pip
- インストールされている Python パッケージのリストを表示する.
> pip freeze
- パッケージをインストールする.
>pip install [パッケージ名]
- パッケージをアンインストールする.
> pip uninstall [パッケージ名]
- ヘルプを表示する.
>pip help
参考 web ページ
IPython
IPython は,インタラクティブな環境を提供してくれる. コマンドプロンプト上で起動した Python では,補完や履歴が 使えないので不便である.IPython は,MATLAB のコマンド プロンプトのような使い方ができるので,便利である. easy_install を使って簡単にインストールできる.
> easy_install ipythonインストールが終わったら,
> ipythonとして IPython を起動する.起動すると以下のような画面が表示される.
Python 2.7.6 (default, Nov 10 2013, 19:24:18) [MSC v.1500 32 bit (Intel)] Type "copyright", "credits" or "license" for more information. IPython 1.2.1 -- An enhanced Interactive Python. ? -> Introduction and overview of IPython's features. %quickref -> Quick reference. help -> Python's own help system. object? -> Details about 'object', use 'object??' for extra details. In [1]:
参考 web ページ
IPython qtconsole
IPython をコマンドプロンプト上ではなく,独立したウィンドウで使うこともできる. そのために必要となるパッケージは,
- pyqt
- pyzmq
- pygments
- pyqt にアクセスし, Binary Packagesにある PyQt4-4.10.4-gpl-Py2.7-Qt4.8.5-x32.exe をダウンロードする.
- PyQt4-4.10.4-gpl-Py2.7-Qt4.8.5-x32.exe を使ってインストールする.
- pyzmq にアクセスし, pyzmq-2.2.0.win32-py2.7.msi をダウンロードする.
- pyzmq-2.2.0.win32-py2.7.msi を使ってインストールする.
- pip を使って pygments をインストールする.
pip install pygments
> ipython qtconsolematplotlib などで描画されるグラフなどを IPython qtconsole の画面に組み込む場合は,
> ipython qtconsole --pylab=inlineとして起動する.
参考 web ページ
IPython notebook
IPython をブラウザ上で使うこともできる.IPython qtconsole のためにインストールしたパッケージに加えて,
- tornado
- jinja2
- tornado を pip を使ってインストールする.
> pip install tornado
- jinja2 を pip を使ってインストールする.
> pip install jinja2
> ipython notebookIPython qtconsole と同様に matplotlib などで描画されるグラフなどを IPython qtconsole の画面に組み込む場合は,
> ipython notebook --pylab=inlineとして起動する.
参考 web ページ
Numpy/Scipy
MATLAB ライクな使い方をするためにも重要となる数値計算ライブラリをインストールする.easy_install や pip でもインストールすることができるが,おそらくエラーが出る.Windows の場合は,パッケージをダウンロードしてインストールする.
- Files - Numerical Pythonにアクセスし,1.8.0 を選択する.
- numpy-1.8.0-win32-superpack-python2.7.exe をダウンロードする.
- numpy-1.8.0-win32-superpack-python2.7.exe を使ってインストールする.
- Files - SciPy: Scientific Library for Pythonにアクセスし,0.13.3 を選択する.
- scipy-0.13.3-win32-superpack-python2.7.exe をダウンロードする.
- scipy-0.13.3-win32-superpack-python2.7.exe を使ってインストールする.
参考 web ページ
Python Imaging Library (PIL)
Python の画像処理ライブラリである PIL を使えるようにする.easy_install や pip でもインストールすることができるが,Windows の場合は,パッケージをダウンロードしてインストールした方がいいらしい.
- Python Imaging Library (PIL)から PIL 1.1.7 にある Python Imaging Library 1.1.7 for Python 2.7 (Windows only) をダウンロードする.
- PIL-1.1.7.win32-py2.7.exe を使って PIL をインストールする.
参考 web ページ
matplotlib
Python で図やグラフで結果を出力するときに必要となるパッケージをインストールする.
- matplotlibにアクセスし,matplotlib downloads page に進む.
- 1.3.1 -- Latest stable version にある matplotlib-1.3.1.win32-py2.7.exe をダウンロードする.
- matplotlib-1.3.1.win32-py2.7.exe を使ってインストールする.
- このままでは,パッケージが足りないとエラーがでるため,pip を使って dateutil と pyparsing をインストールする.
> pip install python-dateutil
> pip install pyparsing
参考 web ページ
OpenCV
コンピュータビジョンのライブラリである OpenCV を Python でも使えるようにする(すべてのライブラリが使えるわけではない).
- DOWNLOADS - OpenCV から最新版の Windows 用の OpenCV をダウンロードする.
- ダウンロードしたファイル(たとえば,opencv-2.4.8.exe など)を使って OpenCV をインストールする.
- C:\opencv\build\python\2.7\x86 にある cv2.pyd を C:\Python27\Lib\site-packages にコピーする.
>>> import cv2で OpenCV が使えるようになる.
参考 web ページ
NetworkX
ネットワーク解析用のパッケージである NetworkX をインストールする.
- pip を使ってインストールする.
> pip install networkx
参考 web ページ
igraph
NetworkX のように複雑ネットワーク解析ツールとして igraph がある.Python 用のインタフェースが利用可能である.
- The igraph library の Download に進む.
- Python extension module にある Windows installer for Python 2.7 をダウンロードする.
- python-igraph-0.6.5.win32-py2.7.msi を使ってインストールする.
pygraphviz
NetworkX などで作成したグラフを描画するために必要となるパッケージである. easy_install や pip ではインストールできないので,ソースコードをダウンロードして,setup.py を使ってビルドとインストールをする. ただし,いろいろと設定を変更しないといけない. pygraphviz のインストールは,参考 web ページを参照した.
pygraphviz は,Graphviz の Python インタフェースなので,まずは,Graphviz をインストールする.
- Graphviz をインストールする.Graphviz の web ページにアクセスし, Download のページに進み,下にある Agree をクリックする.
- Windows - Stable and development Windows Install packages をクリックする.
- current stable release (graphviz-2.36.msi) をダウンロードする.
- graphviz-2.36.msi を使ってインストールする.
- インストールが終わったら環境変数にパスを通す.
PATH = $PATH;C:\Program Files (x86)\Graphviz2.36\bin;
- PyPI から pygraphviz-1.2.zip をダウンロードして解凍する.
- setup.py の31-32行目を以下のように修正する.
31 | library_path='C:/Program Files (x86)/Graphviz2.36/lib/release/lib' 32 | include_path='C:/Program Files (x86)/Graphviz2.36/include/graphviz'
VC などがインストールされていれば,ビルドすることができるが,ここでは何もインストールされていないことを想定し, MinGW を使って gcc.exe をインストールする.
- graphviz_wrap.c をコンパイルするために MinGW をインストールする.
参考:C言語およびC++のコンパイラMinGWのインストールとテスト - MinGW にアクセスして,左にある Downloads に行く.
- Installer から mingw-get-setup.exe を選択してダウンロードする.
- mingw-get-setup.exe を使ってインストールする.
- インストール後に立ち上がった MinGW Installation Manager で
- mingw-developer-toolkit
- mingw32-base
- mingw32-gcc-g++
- Installation - Apply を選択し,さらに Apply をクリックする.
- インストールが終わったら環境変数にパスを通す.
PATH = $PATH;C:\MinGW\bin;C:\MinGW\msys\1.0\bin;
これでビルドできる環境が整ったので,この環境でビルドとインストールができるように設定を変更する.
- C:\Python27\Lib\distutils に distutils.cfg というファイルを新規作成し,ファイルの中に
[build] compiler = mingw32
と記載する. - C:\Python27\Lib\distutils\sysconfig.py を開き,
403 | def _init_nt(): 416 | g['BINDIR'] = os.path.dirname(os.path.abspath(sys.executable)) 417 | 418 | global _config_vars 419 | _config_vars = g
の 417行目に417| g['CC'] = "gcc.exe"
を追加する. - pygraphviz-1.2 のフォルダに入り,
> python setup.py build
でビルドし,さらに,> python setup.py install
でインストールする.
参考 web ページ
Theano
Deep Learning でよく使われている数値計算ライブラリをインストールする. 実行時に C++ コードを生成してコンパイルしたり,GPU での実行をサポートしたりしている. numpy や MATLAB よりも高速に計算することができる.- pip を使って theano をインストールする.
> pip install theano
参考 web ページ
pyscripter
IPython を使えば,MATLAB ライクに Python を使うことができる. 統合開発環境 (IDE) を使いたい場合は,pyscripter をインストールして使うとよい.
- pyscripter にアクセスし,Downloads に進む.
- PyScripter-v2.5.3-Setup.exe をクリックしてダウンロードし,インストールする.