m-ファイルの使い方

MATLABで複数の命令を実行したい場合,m-ファイルを使うと便利である.m-ファイルとは,他のプログラミング言語のように複数の命令を記述したテキストファイルである.m-ファイルを使うと,コマンドラインで実行していた命令を連続して実行でき,また,途中の処理を変更して最初から実行しなおすことも容易になる.

m-ファイルは普通のテキストファイルであり,適当なエディタを使って作成することができる.UNIXではMuleなどが一般的である.

例として,2つのベクトルの内積を求めるプログラムを以下に示す.
v1=[3 5];    %ベクトル1
v2=[-6 2];   %ベクトル2
v1*v2'       %ベクトル1とベクトル2の内積を計算する
この3行だけのテキストファイルを作成する.ファイル名を決める際,拡張子は必ずmとする.ここではこのファイルをnaiseki.mとする.
ファイルを保存したら,実際にMATLABからこのファイルを開いて実行する. このとき,カレントディレクトリはm-ファイルがあるディレクトリになっていなければならない.(ディレクトリについての説明はUNIX(またはMS-DOS)の本を参考にすること.Windowsではディレクトリではなくフォルダと呼ばれているが同様のものである.)
カレントディレクトリは
>>cd
と入力することで調べることができる.カレントディレクトリを変更するには
>>cd m-ファイルがあるディレクトリ
と入力する.

作成したm-ファイルを実行するには,ファイル名から拡張子をとったものを入力する.すなわち,ファイル名がそのままコマンド名になる.
>>naiseki
結果として
ans =
     -8
と出力される.

このプログラムの内容を説明する.
1行目と2行目でv1とv2を定義している.‘ % ’という記号は,コメントを記述するために用いる.その行の‘ % ’以降の文字はコメント文とみなされて実行されない.
3行目でベクトル(行列)の積を計算している.ここでv2を1行2列の行列から2行1列の行列に転置するため‘ ' ’を用いている.また3行目は,結果を画面に表示するために命令のあとに‘ ; ’をつけていない.


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kawamata@mk.ecei.tohoku.ac.jp
Last modified: Wed Apr 19 21:43:45 JST 2000