グラフの描き方と印刷
MATLABは様々な処理の結果を簡単な命令でグラフ化することができる.ここでは基本的なグラフの表示方法について説明する.
まず,例としてsinのグラフを表示するために以下のようなm-ファイルを作成する.
x=0:0.1:3.1;
plot(sin(x))
このプログラムを実行すると(m-ファイルの作成と実行は「m-ファイルの使い方」を参照),新たにウィンドウ(Figureウィンドウ)が開かれ,sinのグラフが描かれる.
ここで横軸はxの値に対応していない.横軸が1のところにxの第1要素(0)に対するsin(x)の値が,横軸が2のところにxの第2要素(0.1)に対するsin(x)の値がプロットされている.横軸とxの値を対応させるには
plot(sin(x))
部分を
plot(x,sin(x))
に変更する.すなわち,1番目の引数で横軸,2番目の引数で縦軸の値を指定する.
この計算ではxについて32点でしか計算をしていないが,MATLABはその点と点の間を結んでプロットする.
MATLABにはグラフ関連のコマンドが数多く用意されているが,そのなかでも基礎的なものについていくつか説明する.
説明のために以下のようなm-ファイルを作成する.
x=0:0.1:3.1;
y1=sin(x); %サイン関数
y2=cos(x); %コサイン関数
hold on %重ね書きを許可する
plot(x,y1)
stem(x,y2)
axis([0 3.1 -1.2 1.2]),grid %軸の範囲設定,格子を表示
xlabel('x'),ylabel('y1,y2') %軸にラベルを付ける.
hold off
このプログラムを実行するとsinとcos関数の一部が同じグラフ上に描かれる.もし,以前に描いたグラフなどの上に上書きした場合は
>>clf
としてからもう一度実行してみる.clfはFigureウィンドウをクリアする命令である.
このプログラムについて説明する.
hold onはこれ以降のプロットを上書きして描くことを許可する.これによってstemは前に実行されたplotを消さずに同じグラフ上に上書きされる.
axisは横軸と縦軸の範囲を設定する.これは
axis([横軸最小値 横軸最大値 縦軸最小値 縦軸最大値])と指定する.
また,axisとgridの間にある","は命令を区切るために用いている.このように","を使うことによって1行に複数の命令を記述することができる.
gridはグラフ上に格子状の目盛りをつける.
xlabel,ylabelは軸にレベルを付けるのに使う.例えば横軸が時間を表す場合には,xlabel('Time')などとする.
グラフの印刷
表示されているグラフを印刷するには,コマンドラインから
>>print
とすればよい.
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kawamata@mk.ecei.tohoku.ac.jp
Last modified: Wed Apr 19 21:46:30 JST 2000